仕送りのつもりで母に渡していたアルバイト代が、投資信託で運用されていました。成人したときに受け取ったのは、僕名義の証券口座です。
僕がこどもNISAに賛成する背景には、この経験があります。自分の子どもにも、この制度を使うつもりです。
僕が子どもに渡したいのは、お金だけではありません。母から受け継いだ、お金について考えるきっかけも渡したいと思っています。
この記事を書こうと思ったきっかけは、ナザールさんのこちらの投稿でした。
こどもNISA
— ナザール@暴落お兄さん🇺🇸米国株投資 (@investor_Nazal) 2026年9月27日
世間の半分が反対 pic.twitter.com/bcK83NRktI
投稿で紹介されていた「Mr.サンデー」の番組内投票は、こどもNISAに「賛成51%・反対49%」。賛否がほぼ半々に分かれていました。僕自身が賛成する理由を、母から受け継いだ経験とともに書いてみます。
こどもNISAは、子どもの資産形成の入口になる
NISAは、専用の口座で投資した商品の売却益や分配金などが非課税になる制度です。
こどもNISAは、NISAのつみたて投資枠を0〜17歳にも広げる仕組みです。財務省の令和8年度改正資料では、2027年からの制度として案内されています。関連する税制改正法は2026年3月31日に成立・公布されました。
こどもNISAの全体像
つみたて投資枠を、子どもにも。
払出しは12歳以降、条件付き
- 子どものために使う資金であること
- 子ども本人の同意を示す書面があること
- 親権者等が金融機関へ申出書を提出すること
2026年9月29日確認。制度開始前の概要です。個別の手続きや例外は公式案内で確認してください。
出典:金融庁「NISAを知る」、財務省「NISAのつみたて投資枠の拡充(令和8年度改正)」、衆議院・関連法の審議経過(確認:2026年9月29日)
非課税保有限度額は、利益も含めた残高の上限という意味ではありません。購入した金額を基準に管理する投資枠です。年間60万円を必ず投資する必要もありません。
この記事では、細かな手続きではなく、この制度をどう受け止め、親として何を大切にしたいかを書きます。金融機関ごとの受付開始日・申込手順は、利用先の正式な案内を確認してください。
母から受け取った口座で、投資が自分のことになった
僕は4人兄弟で、中学生のときに父を亡くしました。それからは母が1人で僕たち4人を育ててくれたので、決して裕福な暮らしではありませんでした。
ゲームもあまりできなかったので、ドラクエやファイナルファンタジーの話に入れず、つらい思いをしたこともありました。今では、それもいい思い出です。
その中で、母がいろいろと考え、たどり着いた先が投資でした。そして僕は、そのバトンを受け取りました。
運用されている自分のお金を見たことが、投資やお金について、いろいろなことに興味を持つきっかけになりました。最初から詳しかったわけではなく、大学卒業を機に、自分でも運用するようになりました。
僕は、投資には実際にやってみないと分からない部分があると思っています。
知識として聞くだけのときと、自分に関係するお金として目の前にあるときとでは、関心の持ち方が違いました。
この経験については、自己紹介にも書いています。
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口座を受け取る前にも、お金との付き合い方を学んでいた
振り返ると、母からはそれ以前にも、日々の暮らしの中で、お金との付き合い方を少しずつ教わっていた気がします。
金融教育というと立派ですが、当時の自分からすれば「ケチなのかな」と感じるようなことも含めてです。
その積み重ねもあったのか、僕は「投資で一発逆転しよう」と考えたことは、一度もなかったように思います。
僕の場合は、投資されている資産を受け取る前から、お金をどう扱うかという土台があった。それも大きかったのだと思います。
「格差が広がる」だけで、機会を閉じてほしくない
投資に回せるお金が多い家庭ほど、この制度を使いやすい。その差はあると思います。同じ非課税枠があっても、同じ金額を使えるわけではありません。
母との経験も、誰でも同じように投資できるという証明ではなく、僕がこの制度に賛成する背景です。
それでも僕は、投資に回す余裕がない家庭への支援と、子どもの資産形成の機会を広げることは、両方進めてほしいと考えています。
NISAだけで家計の苦しさが解決するわけではありません。一方で、家庭によって使える金額に差があることを理由に、子どものために資産を育てる機会まで閉じてほしくない。
僕は、こどもNISAをそう受け止めています。
使うからには、金融教育も一緒にしたい
だから、僕もこどもNISAを使うつもりです。
でも、口座の残高だけを増やして渡せば十分だとは思っていません。使うからには、金融教育も一緒にする。それが僕の考えです。
この点を考えるうえで、たつ@こどもNISA漫画さんの図解が参考になりました。「残すお金の額」と「金融教育」の2つの軸で、4つの状態に整理されています。
こどもNISAで子どもにお金を残すか問題、横軸が金融教育、縦軸がお金を残す額で4象限にしてみた。
— たつ@こどもNISA漫画 (@tatsu_invest) 2026年9月27日
理想は右上で一番避けたいのが左上の教育失敗でお金だけある状態。
残す額はコントロールできる。
金融教育は子ども次第なところもある。… pic.twitter.com/fd8tuCStCG
たつさんは、金融教育が思いどおりにいかない可能性も考え、残す額を抑えるというご自身の方針を書いています。
僕も、お金を渡せば、それだけで子どもが幸せになるとは思っていません。お金との付き合い方が身につかないまま大きな金額を渡せば、お金への依存や使いすぎにつながることもあると思います。子どもの幸せを願って渡したお金が、かえって本人を苦しめてしまう。そんなリスクは考えておきたいです。
僕が目指したいのは、この図の右上。将来を支えるお金と、そのお金を自分で考えて扱う力の両方を、子どもに渡したいです。
親が教えれば必ず思いどおりになるわけではありませんが、だからこそ、小さいうちから少しずつ伝えていきたいと思っています。
たとえば、投資には値下がりもあること。すぐ使うお金と、長く置いておけるお金は違うこと。そして、お金は増やすだけでなく、何に使いたいかを考えるものだということ。
そうした話を、子どもの年齢や理解に合わせて、少しずつしていきたいです。
非課税の制度でも、投資したお金が必ず増えるわけではありません。上限まで入れることを目標にするより、何のためのお金なのかを親子で考える機会にしたいと思っています。
僕自身も、お金を増やすことに意識が向いていた時期から、家族との思い出に使うことを大切にするようになりました。その変化は、こちらの記事にまとめています。
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子どもに渡したいのは、自分で考えるきっかけ
裕福ではなかった家庭で、母がたどり着いた投資。僕は、その資産とともに、お金との付き合い方を受け継ぎました。
それは同時に、投資やお金を、自分のこととして考え始めるきっかけでもありました。
こどもNISAに賛成する理由も、そこにあります。
将来のためにお金を用意する。その過程で、お金との付き合い方も伝える。
母から僕へ。次は、僕から子どもへ。
お金と、そのお金について自分で考えるきっかけを、バトンとして渡していきたいです。
あなたなら、子どもにお金と一緒に、どんな考え方を渡したいですか。まずは一つ、言葉にしてみてください。





