FIRE GYM元消防士のコーストFIRE実践記

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コーストFIREとお金

コーストFIREとは?必要資産の目安と、僕がこの働き方を選んだ理由

りょんす公開
この記事の目次コーストFIREとサイドFIRE・完全FIREの違い働き続けるのに、なぜコーストFIREを選んだのかコーストFIREにはいくら必要?僕の試算で考える目標だった8,000万円に到達。それでも、今は働きながら考えるコーストFIREを考える前に確認したい3つのこと積立を止めた先で、お金の使い方も変わったさらに理解したい人へ:積立のゴールを考える参考動画コーストFIREは、積立を止めた先に何ができるか

コーストFIREとは、すでに持っている資産を運用し、追加の積み立てをしなくても将来の老後資金を用意できる見通しを立てる考え方です。当面の生活費は、働いてまかないます。

僕自身は、追加の積み立てをせず、働いて得た収入をすべて使い切る生活をしています。

老後のお金を育てながら、今の働き方を選ぶ。その仕組みと必要資産の考え方を、僕自身の転職経験とあわせて紹介します。

コーストFIREとサイドFIRE・完全FIREの違い

違いは、今の生活費を何でまかなうかに注目すると整理できます。

考え方 今の生活費 資産の主な役割
完全FIRE 主に資産収入や取り崩し 現在から将来までの生活を支える
サイドFIRE 仕事の収入と資産収入・取り崩しを組み合わせる 現在の生活費の一部にも充てる
コーストFIRE 基本的に仕事の収入 老後に向けて運用を続ける

コーストFIREでは、「今の生活費」と「老後に向けた資産」を分けて考えます。老後のために積み立てる分まで稼ぐ必要が小さくなれば、仕事を選ぶ余地が生まれます。

正社員を続けても構いません。必ず転職したり、勤務時間を減らしたりする必要もありません。

ただし、老後資金の見通しには将来の運用を含みます。必要なお金を今すべて持っているとは限らず、見通しが変われば計画の見直しも必要です。

用語の参考:イオン銀行「FIREの種類」

働き続けるのに、なぜコーストFIREを選んだのか

正直、最初はコーストFIREを胡散臭いと思っていました。仕事をしないこと(早期退職)こそFIREだと考えていたからです。

その印象が変わったのは、転職してからでした。資産を後ろ盾に、キャリアダウンしてもいいから好きな仕事に挑戦する。そういう選択ができることに、少しずつ魅力を感じるようになりました。

学童保育を選んだのは、やりがいを優先したかったから

僕は、コーストFIREをすると決めて、仕事選びでやりがいを優先しました。

学童保育を選んだ理由は、仕事内容に加えて、子どもと関われること、持っていた教員免許を生かせることです。給与も、僕にとって大きく下がると感じる条件ではありませんでした。

実際、僕にとっては少しキャリアダウンする転職でした。仕事内容と給与の両方を確認したうえで、それでもやりがいを優先して選びました。

転職後は、この仕事が本当に自分に合っているのかを見極めていました。その間は、これをコーストFIREと呼んでいいのか、という思いもありました。

仕事を楽しいと感じられたときに、初めて「コーストFIREできたんだ」という実感が持てました。

これは、僕個人の実感です。資産の見通しを立てることに加えて、好きな仕事をしていると感じられることが、僕には大切でした。

コーストFIREにはいくら必要?僕の試算で考える

僕は「5,000万円でコーストFIRE」と発信しています。ただし、コーストFIREに一律5,000万円が必要という意味ではありません。

必要額は、何歳まで働くか、老後の支出をどのくらい見込むか、年金などでどこまでまかなえるかによって変わります。運用期間と利回りの仮定も影響します。

ここでは、一つの具体例として僕の考え方を紹介します。

32歳から60歳まで、追加積立なし・年3%を想定

僕が前職で適応障害になったのは32歳のときです。老後資金を考える際は、YouTubeで積立をストップする考え方などを参考にしながら、自分でも資産シミュレーターで確認しました。

置いた条件は、次のとおりです。

項目 僕が置いた条件
元本 5,000万円
運用期間 32歳から60歳までの28年間
追加の積立 なし
想定利回り 年3%
老後資金の目安 世帯で8,000万円

年3%は、当時の僕が控えめと考えて置いた仮定です。安全に得られる利回りという意味ではありません。

世帯8,000万円という目安には、最低限の生活費をまかなうだけでなく、少し余裕のある老後を送りたいという思いもありました。

「老後2,000万円問題」を意識しつつ、インフレもざっくり考え、1人4,000万円、夫婦で8,000万円あれば余裕があるだろうと考えたんです。

これは、僕が望む老後の暮らしを踏まえて設定した目安です。物価上昇率を使って厳密に計算した金額ではありません。

なお、老後2,000万円問題の元資料は、夫65歳以上・妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯について、平均的な不足額を使った試算です。「1人あたり2,000万円」という一律の基準ではありません。金融審議会の報告書・本文21ページ

元本5,000万円を年3%、28年間の複利で単純計算すると、次のようになります。

5,000万円 × 1.03の28乗 ≒ 1億1,440万円

この計算例は、税金・手数料・物価の変化と途中の取り崩しを反映していません。当時のシミュレーターの出力そのものではなく、条件をもとにこの記事で計算したものです。

同じ目標でも、始める年齢で必要額は変わる

「60歳時点で世帯8,000万円」という目標に向けて、年齢別に逆算した例がこちらです。

表の条件:年3%の複利、追加積立・途中の取り崩しなし。目標は60歳時点の名目額8,000万円で、税金・手数料・物価による購買力の変化は含みません。

現在の年齢 60歳までの期間 計算上、現在必要な運用資産
30歳 30年 約3,296万円
32歳 28年 約3,497万円
40歳 20年 約4,430万円
50歳 10年 約5,953万円
55歳 5年 約6,901万円

計算式は「8,000万円 ÷ 1.03の運用年数乗」。金額は1万円単位で切り上げています。

表の32歳・約3,497万円は、この条件で逆算した金額です。僕が試算に使った元本5,000万円とは異なります。

この表で伝えたいのは、必要な資産額は、目標と残された運用期間によって変わるということです。表の金額に達すれば誰でも積立を止めてよい、という基準ではありません。

僕が「5,000万円でコーストFIRE」と書いている理由

実際の資産の経緯を説明すると、コーストFIREを決める前に、一度6,000万円に達していました。その後、休職中に下がり、5,000万円台になりました。

転職してすぐの4月にも相場が下落し、資産は5,000万円台前半に。こうした経緯から、「5,000万円でコーストFIRE」と発信しています。

5,000万円は、僕自身の経緯を表す数字です。読者の方にとっての必要額は、それぞれの家計と将来の計画から考える必要があります。

目標だった8,000万円に到達。それでも、今は働きながら考える

コーストFIREを始めた後は上昇相場の後押しもあり、追加の積み立てをしないまま、資産は当初の目標だった8,000万円に達しました。これは2026年9月時点での状況です。

60歳に向けて置いていた目安に、金額のうえではすでに届いたことになります。ただし、今の評価額と、将来必要になる老後資金は分けて考えています。これだけで、今すぐ仕事を辞めても大丈夫だと判断しているわけではありません。

相場が良すぎて、下駄を履かせてもらっている可能性もある。 そう考えています。今の上昇がずっと続くとは限りませんし、相場が下がれば資産額も変わります。

だから、今はやりがいを感じられる仕事を続けながら、資産と暮らしの状況を見ていくつもりです。

その先の選択肢として、バリスタFIREやサイドFIREも考えています。数十年後には、完全FIREも視野に入れています。

これは、移行する時期や金額を決めた計画ではありません。そのときの資産だけでなく、必要な生活費、家族との時間、仕事を続けたい気持ちも含めて、働き方を選んでいきたいと思っています。

コーストFIREを選んだ後も、暮らしに合わせて次の選択を考えられる。その余地があることも、僕が感じている魅力です。

コーストFIREを考える前に確認したい3つのこと

1.今の生活費をまかなう収入は必要

コーストFIREを選んでも、毎月の生活費はかかります。転職や勤務時間の変更を考えるなら、その働き方で今の家計が成り立つかを確認する必要があります。

僕も仕事のやりがいだけでなく、給与の条件を見て転職先を選びました。

2.老後以外に使うお金を分ける

教育費、住宅費、急な出費に備える現金など、退職前に必要になるお金まで、すべて老後用の運用資産として数えると見通しがずれます。

先ほどの表は途中で取り崩さない計算です。途中で使う予定があるお金は、その時期と金額も含めて整理する必要があります。

3.相場・物価・家計が変わったら見直す

年3%という数字は計算上の仮定です。実際の運用が毎年同じように進むわけではなく、資産が減る時期もあります。僕自身も、6,000万円から5,000万円台への下落を経験しました。

また、将来8,000万円を持っていても、今の8,000万円と同じものを買えるとは限りません。物価や家計の変化によって、必要な金額も変わります。

だからこそ、積立を止めた時点で計画が完成するわけではありません。想定より資産が増えない、収入が減る、支出が増えるといった変化があれば、働き方・支出・積立の計画を見直す必要があります。

参考:金融庁「資産形成の基本」

積立を止めた先で、お金の使い方も変わった

以前は旅行を見送り、「投資に回したほうがFIREに近づくのでは」と考えていました。

転職をきっかけに、老後資金の見通しを踏まえて、今の収入を暮らしに使おうと思うようになりました。

最初は贅沢をしているような気持ちもありました。でも、旅行を重ねるうちに、家族の思い出が増えていく感覚を持つようになりました。

これは、僕自身の家計と将来の見通しを踏まえた選択です。コーストFIREを考える人すべてが、収入を使い切る必要はありません。

具体的な変化は、こちらの記事で紹介しています。

あわせて読みたいお金を使うのが怖い|コーストFIRE後に変わったお金の使い方記事を読む →

さらに理解したい人へ:積立のゴールを考える参考動画

ここまでは僕の条件で説明しました。別の前提で考える参考として、S&P500最強伝説さんの動画を紹介します。

以下は、この動画の計算例です。僕の試算とは、退職年齢や利回り、生活費の置き方が違うため、必要額の大小だけを比較することはできません。

S&P500最強伝説さん:生活費と年金から考える

「いくら貯めたら積立やめていいのか?【投資のゴール】」では、完全リタイアと、生活費を働いて稼ぎながら積立を止める場合を分けて試算しています。

積立を止める場合の前提説明(16分16秒〜)。YouTubeで見る

表の条件:65歳まで生活費を働いて稼ぎ、65歳から年金を受給。年金は2人で月22.5万円、単身で月11万円、インフレ考慮後の期待収益率は年4%、支出は動画独自の年齢別モデルです。

積立を止める年齢 2人以上の家庭のモデル 単身のモデル
40歳 821万円 524万円
50歳 1,216万円 775万円
60歳 1,800万円 1,147万円

出典:同動画16分51秒の図を参照し、金額を表に整理。

これは動画の条件下での目標額で、全員に共通する積立停止の基準ではありません。投稿者自身も17分41秒以降に、金額の余裕をどう取るか考える必要に触れています。金額だけでなく、16分16秒以降の前提説明とあわせて見ることをおすすめします。

動画のインフレ考慮後の年4%と、僕の計算例の年3%は、同じ条件の数字ではありません。どちらも仮定を置いた計算であり、将来の到達額を保証するものではありません。

りょんすりょんす

自分の条件に置き換えて考えると、コーストFIREへのハードルも、案外低く感じられるかもしれませんね。

コーストFIREは、積立を止めた先に何ができるか

僕にとって、コーストFIREの魅力は、積立を止めた先に選べることが増える点にあります。

資産を後ろ盾に、好きな仕事に挑戦する。家族との思い出にお金を使う。将来に向けた準備が、今の暮らしを選ぶ支えになります。

自分の場合を考えるなら、まずは次の3つを整理してみてください。

自分の暮らしで考える3つのこと

  1. 選びたい働き方

    今の仕事を続けたいのか、時間を減らしたいのか、別の仕事に挑戦したいのか。

  2. 今の暮らしに必要な収入

    その働き方で、毎月の生活費をまかなえるか。

  3. 将来に向けた資産

    途中で使うお金と分けたうえで、老後資金をどう準備するか。

僕にとっては、子どもと関わる仕事を楽しみ、家族との時間を大切にするための選択でした。

積立の負担が軽くなったら、どんな働き方や暮らしを選びたいか。

そこから考えると、コーストFIREを自分の生活につながる選択肢として捉えやすくなると思います。

りょんす
書いている人:りょんす

元消防士(救急救命士)。学童保育で働きながら、コーストFIREを実践。

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